無辜(むこ)と鹵獲(ろかく)と兵站(へいたん)
2月24日以来、頻繁に見聞きするこの三つの言葉を否応なく覚えてしまった。
・無辜(むこ)とは、何の罪もないこと。
ロシアは侵攻以来、ウクライナのインフラ基盤の電力、水道を破壊し、住宅、学校、病院、劇場やショッピングセンターへのミサイル攻撃で殲滅させるかのように、数多の無辜の民をも容赦なく、非人道的な 殺戮の限りを尽くして、戦争犯罪の大量虐殺を行っている。
・鹵獲(ろかく)とは、戦争において、打倒した敵の兵器や軍用品を後続する戦闘のために接収すること。
ウクライナは鹵獲したロシアの戦車を修理し、それを敵ロシアへの反撃兵器として活用している。ロシアは侵略地の農民が使用しているトラクターを盗み、ロシアへ輸送している。
・兵站(へいたん)とは、戦闘部隊の後方にあって、人員・兵器・食糧などの前送・補給にあたり、また、後方連絡線の確保にあたる活動機能のこと。
ロシアは侵攻当初から兵站で大失敗した。後方からの補給が無く、戦車等の軍用車両は燃料の枯渇で乗捨てた。兵士の食糧不足を侵略地で調達し、無辜の民からの強盗・強奪を働いた。
また、侵略した地域の倉庫から小麦・トウモロコシの穀物40万トンを強盗・強奪し、ロシアが一方的に併合しているクリミアへ運び入れ、海外の他国へそれを密輸・転売していたことが発覚した。泥棒国家・ロシア!
ウクライナへはこれからも西側諸国(主はアメリカ)から武器の援助・補給が滞ることは無い。
一方、ロシアは西側諸国からの経済制裁で、それまで輸入に頼っていた最先端の部品が入ってこない。戦車、飛行機等の軍需品の生産が滞る。西側へ報復としてガス、原油を止めようが、それは自らの懐具合に跳ね返り、首を絞めることに繋がる。
著名な戦史家が著作の中で、「戦争という仕事の10分の9までは兵站だ」と述べている。勝敗のカギは戦略よりも兵站だそうだ。
必要な兵隊と物資を決戦場に送り続けることができたほうが勝つならば、ウクライナの勝利は見えてくる。そう信じたい。兵士の士気も高い。大義はウクライナにあり!
2022.5.16記