悲しき願い Don't Let Me Be Misunderstood
平凡で何者でもない存在(ノーバディ)として、妻子と暮らしていた中年男の活躍を描いている。
金型工場に勤める男は、妻には距離を置かれ、息子からも尊敬されないものの、娘を含めた4人家族で営々と普通の生活を送っていが、自宅に強盗が侵入したのを契機に、家族にも知られていない危険な過去を持っている能力の衝動を抑えきれず、再び目覚め行動に移す。
冒頭から聞き覚えのあるメロディーラインのボーカルが流れてきた。すぐに尾藤イサオの「悲しき願い」が浮かんだ。スローなアレンジをオーケストラをバックにニーナ・シモンの渋い歌唱がこの映画を印象的なものにしていた。
この曲・”Don't Let Me Be Misunderstood”は、歌手兼ピアニスト・ニーナ・シモンの1964年オリジナル作品。1965年のアニマルズ・The Animalsのバージョンが日本でもヒットした。邦題が「悲しき願い Don't Let Me Be Misunderstood 」。これを日本語訳でカバーしたのが、歌:尾藤イサオの「悲しき願い」。彼はこの一曲で一気に日本のポピュラー音楽界へ躍り出た。
55年程前の曲を2021年製作のハードボイルド・アクション映画へ選曲したのは、間違いがなかったということなのだろう。ニーナ・シモンの”悲しき願い”は最高です。全編を流れる他のノスタルジックなボーカル曲も最高です。
2022.11.23記