畑で野焼きのてんまつ
2009年の2月から400坪の畑を十年間借りていた。ある年の9月のはじめ、空は青く快晴。収穫後の残渣や、夏に繁茂した畑の中、外、周囲の草を刈って野積していた枯草を、一気に野焼きしようとした。
畑に隣接する、顔見知りの、挨拶を交わす一軒家があった。
風が少々吹いていた。枯草を焼くときは、十分乾燥させていると、あまり煙も立たず、よく燃える。一か所に集め火をつけた。
畑の周囲いたる所に、刈草を積み上げていたので、4本爪フォークを刺し込み持ち上げ、着火場所の火の上へ投げ込んだ。
今日はよく煙が立ち昇っているな~、風が少しあるな~、と気にはしていた。時々煽るように吹くときがあった。
次から次へと、野積の刈草を4本爪フォークで、着火場所の火の上へ投げ込んでいた。
パチパチ...ぼうーと音が聞こえていた。野焼きの音だ。
隣の家から電話の音が聴こえてきた。隣家はただ今、留守だ。外出中だ。
なんか、変な電話音だな~、サイレンに近い音だな~、しつこい電話だな~と思った。
うん? どっかで聞いたような...、えっ? この音は...大変だぁ~!、火災報知音だぁ〜!!
びっくりしたのなんのって、慌てて、水をぶっかけた。野焼きの中に貯め水をバケツでぶっかけた。
煙が消えた。そして...音が止んだ。
二階の窓は開放されていた。煙の大流が流れ込んで、部屋の天井に設置された火災報知器が鳴っていたんだろう。大きな冷や汗をかいてしまった。
いつもより枯草の乾燥が十分じゃなく、いつも以上に煙がけたたましかった。風向きが変わっていたのに、大したことは無いと軽く考えていた。
嫌なことを思い出してしまった(鬱)...火の用心…おま言う、う? サダオ、お前がな!
2022.4.14記