ゼレンスキーのいら立ちと米欧内の譲歩勢力
ロシアとの戦争を早期終結させるため領土を巡り、ウクライナに妥協を促す声が、アメリカから上がっている。
リベラルな論調で知られる米ニューヨークタイムズ紙がウクライナの決定的な軍事的勝利は現実的な目標ではないと主張し、ゼレンスキー大統領に平和のために領土を割譲するよう論説した。
キッシンジャー元米国務長官(98)は世界経済フォーラム(ダボス会議)で、クリミア半島と、2月の開戦以前から親ロシア派が支配していた地域を放棄することを示唆した。
フランスのマクロン大統領は、和平が合意された場合、ロシアが屈辱を与えられてはならないと警告している。
イタリアは独自の4つの平和計画の中で、ロシアとウクライナ間の二国間協定とロシア軍の段階的撤退とロシアに対する西側の制裁の撤廃を含む、欧州連合とロシアの間の多国間和平協定を唱えている。
欧州連合(EU)内で、停戦と和平交渉を求めるイタリアおよびハンガリーと、ロシアへの強硬姿勢を維持する他の加盟国との間で溝がある。英情報筋によると、ドイツやフランス、イタリアなどは早期停戦の実現が重要で、ある程度の妥協が必要と考えているようだ。
ゼレンスキー大統領は26日、「ウクライナが平和を代価に領土を放棄することを、受け入れるべきだという主張が、一部の西側諸国から出ている。ウクライナに領土を放棄せよと助言する人たちは、平和に対する幻想を持って、譲歩を提案した領土に住んでいるウクライナ人たちを取引の対象とみなしている。ウクライナに領土を譲歩せよと主張する人たちは、独裁者たちの欲望をなだめるために、国家の利益と交換してきた古き時代に依然として生きている人達だ。誰であっても、我々の主権1グラムも領土1ミリも、取引の対象にすることはできない。我々の子供たちが死に、兵士たちが砲弾を受け粉々になった状況の中、ウクライナの領土を犠牲にせよという人たちは、我々のそばから離れよと言いたい。領土を譲歩することは、絶対に起きてはならないことだ」と語った。
後書:ゼレンスキー大統領へ大変不謹慎ながら、笑点大喜利になぞらえて座布団100枚進呈したい。
2022.5.29記